どっちのタイプ?
職場で、何かうまくいかないことがあった時、自分は悪くない、周りの人のせいだと思う人と、自分のやり方が悪かったのではないか、何か間違ったのではないかと、自分のせいだと思う人がいます。
私は、自分のせいだと思ってしまう方でした。
皆さんは、どちらでしょうか?
自分のせいだと思う人は、きっと責任感の強い真面目な人ですね。
がんばりすぎてダウンしてしまうのも、このタイプの人です。
自分のせいだと思う人
例えば、看護師の対応が悪いと言って患者さんが怒ってしまった場合を考えてみましょう。
その看護師は、自分のせいで、患者さんを怒らせてしまったと、落ち込んでしまいました。
でも実際は、誰のせいかはわかりません。
ひょっとしたら、看護師の対応が、本当に悪かったのかもしれません。
でも、もしかしたら、その患者さんは、誰にでもすぐに怒ってしまう性格なのかもしれません
それとも、その看護師に余裕がなく、そんな働き方をさせている、看護師の上司の責任かもしれません。
あるいは、その病院全体が、働きづらい環境を作っているなら、病院の責任者の問題かもしれません。
ひょっとしたら、その患者さんの家族が、その患者さんがイライラする原因を作っているのかもしれません。
本当の原因はわからない
本当は何が原因なのかは、わかりませんよね。
実際は、いろんな原因が、ミックスしているのでしょう。
その看護師だけの責任だということは、ないはずです。
でも、自分のせいだと思ってしまう看護師の方もいますよね。
なぜ、そう思ってしまうのか?
それは、責任感が強くて真面目で、優しい性格のせいもあるでしょう。
自分に自信がないのかもしれません。
周りの目が気になっているのかもしれません。
子どもの頃から、何でも自分のせいにするクセがあるのかもしれません。
自分のせいにした方が、気が楽だという人もいるでしょう。
いろいろな理由があるだろうし、それぞれの理由には、そうなった訳があります。
責任者なので全部自分のせい
私は、37歳の時に障害を持つ人たちと共に働く場としてお弁当屋を立ち上げ、代表として生き生きと働いていました。
ずっとやりたかったことだったので、やりがいもあって周りからも評価され、最初は楽しんで働いていました。
そのうちに、やってもやっても終わらない忙しさと、すべての責任を感じてしまうしんどさに疲れてしまい、ダウンしてしまいました。
クリニックへ行くと、燃え尽き症候群からうつ状態になっていると言われました。
働いている中で、いろいろな問題が起きたとき、責任感の強い私は、うまくいかないことのすべては、責任者である私の責任だと思っていたのです。
トラブルが起きるたびに、自分が何とかしないといけないと思い、必死で対処していました。
いろいろなトラブルとは、例えば、働いている人同士がうまくいかなかったり、お弁当に対する苦情があったり、支援してくれている経営者の方から責められたり。
そんなことがあると、全部自分のせいだと思い、対処することに疲れ、落ち込んだり、自信をなくしたりしていきました。
組織を作って何かを始めれば、トラブルやうまくいかないことはあって当然なのに、全てがうまくいかなければいけないと思っていたのかもしれません。
ダウンして当たり前ですよね。
カウンセリングやいろいろな方法で自分と向き合う中で、すぐに自分のせいだと思ってしまう自分のパターンに気がついていきました。
育ってきた環境の中で、自分のせいだと思うパターンが身についたのでしょう。
すぐにそのパターンをなくすことは難しいので、しばらくは責任ある立場には立たず、自分を楽な状態にして、回復に取り組みました。
そして、少しずつ何もかも自分のせいだと思うことは、減っていきました。
事実だけを見る
職場で何かうまくいかないことがあったとき、どんな風に考えればいいでしょうか?
まずは、自分のせいだとは思わず、かといって誰かのせいだとも思わず、事実だけを見てみましょう。
何がうまくいってないのか、どうしてうまくいかなくなったのか、どうすればうまくいくようになるのかを、考えましょう。
きっといろいろなことに気づくでしょう。
もしも本当に自分のせいだと思えば、迷惑をかけた人に謝り、次から気をつければいいだけです。
でも、実際は、誰のせいでもなかったり、いろんな原因があったり、責任を感じる必要がないことがほとんどです。
そのままの自分を受け止める
それでも、どうしても自分のせいだと思ってしまったら、その思いを消すのは、難しいですよね。
そのときは、自分はそう思っているのだなあと、自分のことを客観的に観察してください。
自分のせいだと思ってはいけないと思えば思うほど、思ってしまうので、そういう自分も受け止めてあげてくださいね。
そのままの自分を認めてあげることで自然に、何もかも自分のせいだと思うことは、減っていきますよ。