やりたいことなのに、やる気が起きない
本当はやりたいことなのに、どうしてもやる気が起きないときって、誰でもあると思います。
忙しくて疲れていたり、嫌なことがあったり、何か思い当たる原因がある場合。
そんなときは、しばらく休んで疲れが取れたり、嫌なことが解決したりすれば、再びやる気が起きるでしょう。
一方、本当はやりたいはずなのに、なぜかどうしてもやる気が起きない、やることが億劫、特に原因は思い当たらない、そんな状態がずっと続いているときは、要注意です。
軽いうつ状態になっているのかもしれません。
私が38歳で、初めて燃え尽き症候群からうつ状態になった時のことを、お話ししますね。
いつの間にか限界を超えて頑張る
37歳の時に、それまでずっとやりたかった障がいを持つ人たちと共に働く場としてのお店を立ち上げ、代表としてやりがいを感じながら、毎日忙しく働いていました。
私の考え方に賛同して集まった人たちに支えられて、とても充実していたし、周りからは評価され、そこで働く障がいを持つ人たちが、生き生きと働く姿を見るのが、喜びでした。
責任ある立場だし、自分がやりたくて始めたことなので、大変なことは、全部自分が率先してやっていました。
朝は一番早くに行き、帰りも遅くまで残り、トラブルがあれば、謝りに行き、働く人たちからの要望があれば、話しを聞き、今考えると、あれもこれもと、忙しい毎日でした。
全部をきちんとやりたいと思っていたのでしょうね。
そのときは、全部私がやるべきことだと思っていて、疲れていても大変だと思わず、他のみんなが楽しんでくれたり、やりがいを感じてくれるのが、うれしく思っていました。
最初はそれでやっていけたのですが、やればやるほど、やるべきことが増え、考えることも増え、そのうちに限界を超えていったのだと思います。
急にやる気が起きなくなる
一年経ったころに、急に気力が湧いてこなくなり、あれほどやりたかったことなのに、やろうと思うと、拒否反応が起きるようになりました。
やりたいことのはずなのに、なぜかやる気が起きなくて、自分でもどうしたんだろうと思いました。
エネルギーを使い果たしてしまったのでしょう。
あれほどやりたくて苦労して始めたことなのに、一年でもう仕事を辞めたいとさえ思うようになりました。
私が辞めると、他に代表を引き受けてくれる人はいなくて、せっかく始めた障がいを持つ人たちの働く場なので、簡単に辞めるわけにもいかず、とりあえず、元気になるまで、休ませてもらいました。
やりたいことなのにやる気が起きないのは、自分でも不思議でした。
今考えると、限界を超えて頑張りすぎたので、休むことが必要だったのですが、その当時は、自分で頑張りすぎている自覚がなかったので、ちょっと疲れただけなので、少し休めば、またやる気が起きるかなあと、思っていました。
クリニックで、「燃え尽き症候群ですね」と言われても、最初はピンとこなくて、すぐに回復するものだと思っていました。
なかなか元気にならない
実際は2週間休んでも、疲れが取れず、3ヶ月休んでもまだ十分休んだ気はしなくて、なんとか短時間ならできるかなあと思えるようになり、午前中だけの仕事を少しずつ始めました。
すぐに元気になるだろうという予想は外れ、なかなか元気にならなくて、やる気も起きず、勤務時間を伸ばしたり減らしたりしながら、結局その後、傷病手当をもらいながら、長期で休むことにしました。
そして休んでいる間、カウンセリングはずっと受けていて、少し元気になってくると、自助グループに参加したり、認知行動療法を受けたり、ワークショップに参加したり、いろいろな方法で、自分と向き合ってきました。
頑張りすぎに気づき、無理するのをやめて、自分らしく生きるように意識すると、自然にいろいろなことをやりたい気持ちが出てきました。
使い果たしたエネルギーが充電できて、考え方や行動を変えることで、楽に生きられるようになったのだと思います。
そうなると、自分の中からやる気が出てきます。
やる気が起きないことを否定しない
やりたいことなのにやる気が起きないときは、まずはゆっくり休んでください。
やる気が起きないことは悪いことではないので、そのことを否定せず、今はやる気が起きない時期なんだなあと思ってください。
そしてしばらく休んでも疲れが取れず、元気が出ないときは、やる気が起きるまで、十分に休んでください。
それと同時に、それまでの働き方も見直し、無理をしないで楽しんで働けるスタイルに変えていってくださいね。
ついつい頑張りすぎてしまう人は、そのことに気づいて、もう十分によくやっている自分のことを認め、褒めてあげてください。
そんなに頑張らなくてもいいよと、自分に声をかけてくださいね。
頑張りすぎるには理由がある
頑張りすぎてしまうのは、理由があります。
私の場合は、母親が病弱だったこともあり、子どもの頃からいい子で育ち、頑張ることが身についていました。
私にとっては、頑張ることは当たり前だったので、頑張りすぎても、自分ではなかなか気づけなかったのです。
自分のことは後回し、自分さえ我慢すればうまくいく、自分さえ頑張ればなんとかなる、そういう考え方や行動のパターンが身についていました。
それに気づいて、そこを意識するだけで、少しずつ変わっていきました。
頑張りすぎてしまう方は、そこを見直すことで、楽になり、エネルギーが湧いてくると、やる気も出てきますよ。